2017年9月21日木曜日

可愛がっていたつもりが、可愛がられていた。

この前実家に帰って母親とダラダラ長話をしてきました。



実家に帰ると、お互いの近況報告やら何やらを話すんだけど、毎回お隣さんが飼ってたゴンの話に結局行きつく。



これがゴン。もう30年前くらいの写真。




↑この顔あざといなぁ笑(褒め言葉)



僕が物心つき始めた時にお隣さんがゴンを飼い始めて、僕は毎日ゴンの所に行って遊んでた。ゴンは毎日僕と遊んでくれた。



ゴンは可愛いだけじゃなく、
僕と毎日遊んでくれるくらい優しいだけじゃなく、
頭も耳も良かった。



小学校から家に帰ると、ゴンはいつも門の隙間から首を出して僕の事を待っていた。



お隣さんが「誰がやってくるか遠くからの足音で聞き分けて門の前にスタンバイしてるんだよ」って言ってた。



そんな超賢い犬だった。



ゴンは頭を撫でられるより、お腹を撫でられるのが好きな犬だった。



遊びに行くと毎回「早く撫でて~」と言わんばかりに仰向けになってお腹をこっちに向ける。最初はお腹なんて撫でられて嬉しいのか??と思いつつも撫でてあげた。



小学校低学年の手なんて短いもんだから、門の隙間から腕を必死になって伸ばして、




でも痛くならないように、雑にならないように優しく撫でてあげた。



ゴンはお腹を撫でられるのが好きで、一度撫で始めると撫でる手を止めるまで、じーっと寝たまま。



だからこっちも止め時が良くわかんなくて、5分や10分腕を伸ばして撫で続ける事もしょっちゅうだった。



そんな事を幼稚園の頃からずっと続けていた。



小学校を卒業して、中学生になってからも家に帰る前にゴンのお腹を撫でる毎日が続いた。



部活で疲れ切っていても必ずゴンは門の前で待っててくれるから、早く家ってテレビを観たい時もあったけど、お隣さんちに寄ってゴンのお腹を撫でてあげた。




最初にゴンの異変に気付いたのは中学校一年のゴールデンウィーク前。



いつもの様に家まで歩いていたら門の向こう側で尻尾を振って待ってるはずのゴンがいなかった。




散歩行ったのかなーって思ってたんだけど、



さらに門に近づくと犬小屋の中にゴンがいるのが見えた。




いるじゃん!と思って「ゴン!」って呼んだら犬小屋から出てきたんだけど、




元気がなくて、いつものお得意の仰向けポーズにもならず。。。




そんな事が何週間か続いたある日、また様子が変わった。




撫でている最中に犬小屋へ戻っていく事が増えた。そしてその足どりはどこか辛そうに見えた。




その翌週には名前を呼んでも犬小屋から出てきてくれなくなった。耳が聴こえなくなったのか、聴こえても聴こえないフリをしていたのか。今となっては分からない。





それから数週間後、うちの家のインターホン鳴った。




ドアを開けると、立っていたのはゴンの飼主のおばさん。




いつもは回覧板を回しに来るだけにウチを訪れていたお隣さんが、泣きながら何か言おうとしている姿を見てびっくりした。



勘が鋭い僕はすぐに勘付いた。



お隣さんはゴンが死んでしまった事、今までずっと遊んでくれた事に対しお礼を言いに来てくれたのだ。




突然の出来事すぎて僕は何て言っていいのかわからなかった。




その頃はまだ自分の周りで誰かが亡くなった事もなくて、ゴンは僕が大人になってもずっと生き続けるもんだと勝手に思い込んでた。




だから心の準備もできてなくて、信じられなくてワケががわかんなくなって。




それでゴンの所に連れて行ってもらって、ゴンの亡骸を見せてもらったら涙が急に溢れだしてきた。




今でもハッキリ覚えてるんだけど、ゴンの亡骸は眠ってるみたいで「そういや10年以上遊んでるのに寝顔一回も見た事なかったな」って思ったのを覚えている。




って当時の事を思い出したら泣けてくる〜、ってか話なげぇ笑



やっと話は現代に戻り、



この前母親とゴンの話になったんだけど、



母親が「お母さんね、最近ご近所さんの犬と遊ばせてもらってるんだよ。それで気づいたんだけど、犬って意地悪な犬とか嫉妬深い犬もいるんだよね。」って言い始めて。




「そう考えたらゴンちゃんはすごく優しかったよね。最後の方なんて周りになるべく心配かけないように、無理して犬小屋から出てきてたんだと思うよ。」って続けて、




思わず「えっ?」って大きい声が出てしまった。




そしてゴンが死んだ日、お隣のおばさんが来た時と同じように一瞬何も言えなくなった。




門の隙間から首を出して俺の事待ってたのも、撫で終わるまでじっと動かなかったのも、




体が思うように動かなくなってからも犬小屋から出てきてくれてたのも、



俺と遊びたかったからじゃなくて、




ひょっとしたら俺を喜ばせるため、心配させないためだったんじゃないかって。





当時は犬がそんな事するなんて考えもしなかったけど。でもたしかに犬って人間のために自分を犠牲する生き物だし、赤ちゃんや子供をあやしたりするし。





ゴンもそういう優しさを持ったタイプの犬だったのかもなぁ。。。知らないけど。





というわけで「猫より犬派」で僕が熱く長く語るのは、ゴンが可愛くていいやつ過ぎたからです、っていう話でした〜(←これが言いたかったw)




とか言いながら最近猫に話かけてばっかりだけども。




つづく

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